2007年11月の星空

超高感度カラーテレビカメラがとらえたホームズ彗星

アウトバースト現象により、17等から2等級にまで増光したホームズ彗星。10月25日、五藤光学研究所は、大バースト直後のホームズ彗星を同社開発の天体撮影用超高感度カラーテレビカメラ(NC-R550a)でとらえることに成功した。10月29日現在、2等台の光度を保っており肉眼での観測が可能だ。現在の位置はペルセウス座付近で一晩中観測できる。このホームズ彗星については、天文ガイド1月号で詳しくご紹介する予定だ。

このビデオ映像は、天体撮影用超高感度カラーテレビカメラNC-R550aを浄土平天文台(福島市)の40cmカセグレン望遠鏡に取り付け撮影されたもの。カメラは、次世代の超高感度デバイスEM-CCD(3CCD)を採用。天体撮影用の超高感度カラーカメラとして注目されている。詳しくは同社スペシャルWebサイトwww.emccd.netで。

 ひところにくらべると夜の冷気が身にしみるころとなってきています。ちょっとのつもりが、思わぬ時間をすごしてしまうスターウォッチングでは、そろそろ防寒の身支度にも気をくばらなければなりません。そんな11月の星空で目につくのは、やはり12月19日の地球最接近をめざし、次第に明るさを増している火星です。冬の星座の中に入り込んできていますので、それでなくとも星の輝きのにぎやかな夜ふけの星空が一段と明るさを増しているような印象を受けます。気流の乱れが大きい季節ですが、当分、火星面からは目が離せない状況が続きます。

07年11月の星空

同じ星空が見える時刻

  • 10月中旬22時ころ
  • 11月上旬21時ごろ
  • 11月中旬20時ごろ
  • 11月下旬19時ごろ

クリックすると大きな図が見られます

図の中央が頭の真上の"天頂"にあたり、円の周囲が地平線を表しています。図の東西南北の方位と自分の立っている場所での東西南北の方位を一致させ、頭上にかざすと、星座や星を見つけだすことができます。この全天星座図は、頭上にかざして見るものなので、東と西の方位が一般の地図とは逆になっています。

ここに揚げられている星座図は、北緯35°付近での見え方を示してありますが、ほぼ全国的にこれと似た見え方になるとみて差し支えはありません。もちろん、北海道あたりでは北の空がより高く、沖縄付近では南よりの星座が高く見えるようになります。

この観測ガイドは「月刊天文ガイド」本誌に掲載されたものです。詳しくは本誌をご覧下さい。
誠文堂新光社