2005年12月の星空

12月22日が冬至、太陽は南の空へ低く下がって弱々しい日ざしをなげかけています。おかげで日暮れが早く、夜明けが遅いという天文ファンにとって最もうれしい季節の到来というわけです。もちろんさむさもきびしくなってきますが、それに見合うだけの星の輝きが見られるわけで、まあ、防寒の身支度のめんどうくさいくらいはどうということもないでしょう。そんな冬空での話題は、宵の明星の金星が12月9日に、-4.7等の最大光度になることと、東の空で真っ赤に輝く火星の存在でしょう。とくに火星は、まだまだ見かけの大きさもあって小口径の対象として充分楽しむことができます。

05年12月の星空

同じ星空が見える時刻

  • 11月中旬22時ころ
  • 12月上旬21時ごろ
  • 12月中旬20時ごろ
  • 12月下旬19時ごろ

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図の中央が頭の真上の"天頂"にあたり、円の周囲が地平線を表しています。図の東西南北の方位と自分の立っている場所での東西南北の方位を一致させ、頭上にかざして見くらべると、星座や星を見つけだすことができます。この全天星座図は、頭上にかざして見るものなので、東と西の方位が一般の地図とは逆になっています。

この星座図は、北緯35°付近での見え方を示してありますが、ほぼ全国的にこれと似た見え方になるとみて差し支えはありません。もちろん、北海道あたりでは北の空がより高く、沖縄付近では南よりの星座が高く見えるようになります。

12月の夕空で目に付くのは、西の地平線低く見える宵の明星の金星で、12月9日には最大光度になります。また、東の空では10月30日に地球に最接近して今は遠ざかりつつある赤い火星が人目をひいています。東の空からはいっせいに明るい冬の星座たちも登場してきています。

この観測ガイドは「月刊天文ガイド」本誌に掲載されたものです。詳しくは本誌をご覧下さい。
誠文堂新光社