2005年11月の星空

日暮れのころ、東の空からひときわ明るくしかも真っ赤な色をした星が姿を見せるようになってきています。10月30日に地球に再接近となり、11月7日に衝となる火星です。秋の夜空には目を引く明るい星はありませんので、都会の夜空でさえ、ハッキリ見える-2等級の火星の不気味とも思える赤い輝きは、天文ファンならずとも気にして見上げることでしょう。最接近時の火星の見かけの大きさはおよそ20"もあります。小さな望遠鏡でもその表面に模様を見ることができ、久しぶりに火星ウォッチングが楽しめます。今月はチャンスの少ない火星観測に集中するのが良いといえそうです。

05年11月の星空

同じ星空が見える時刻

  • 10月中旬22時ころ
  • 11月上旬21時ごろ
  • 11月中旬20時ごろ
  • 11月下旬19時ごろ

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図の中央が頭の真上の"天頂"にあたり、円の周囲が地平線を表しています。図の東西南北の方位と自分の立っている場所での東西南北の方位を一致させ、頭上にかざして見くらべると、星座や星を見つけだすことができます。この全天星座図は、頭上にかざして見るものなので、東と西の方位が一般の地図とは逆になっています。

この星座図は、北緯35°付近での見え方を示してありますが、ほぼ全国的にこれと似た見え方になるとみて差し支えはありません。もちろん、北海道あたりでは北の空がより高く、沖縄付近では南よりの星座が高く見えるようになります。

11月の夜空で目に付くのは、西の地平線低く輝く金星で、宵の明星として都会の空でさえ目に付きます。その反対側の東の空では地球に近づいた赤い火星が2年2ヵ月ぶりにあかく輝いて人目を引いています。その赤い火星は、11月15日の良いには満月直前の大きな月と並びます。

この観測ガイドは「月刊天文ガイド」本誌に掲載されたものです。詳しくは本誌をご覧下さい。
誠文堂新光社