1月の夜の南の空高くには、冬の大三角と冬のダイヤモンドが輝きます。今年はそこに-2.6等の木星と-1.5等の火星が加わり、いっそうきらびやかな光景を作り出しています。北西から南東の地平線へ続く秋から冬の天の川は双眼鏡で見ると、大小の星がまき散らされ、とてもきれいです。
昨年の11月ごろから、その冬の星座の中で、赤く明るく輝いて目を引いてきた火星ですが、1月12日に約2年2ヵ月ぶりに地球に最接近します。
太陽を回る地球の軌道はほぼ円形なのに対して、火星の軌道はやや楕円形のため、火星がどこにあるときに地球と接近するかによって接近の度合いが異なります。今回の最接近時では9,608万kmと、あまり近付かない小接近となります。それでも、火星の光度は-1.4等、視直径は14.6″となり、口径15cm程度の望遠鏡なら「北極冠」や模様の変化が、眼視・ビデオで観察できるでしょう。
また、火星は1月17日に衝となり、太陽・地球・火星がほぼ一直線に並びます。日没のころ東の空に火星は昇り、一晩中夜空で輝いて、日の出のころ西の地平線に沈みます。以後、日ごとに火星が空に昇る時刻が早くなり、宵の時間でも見やすくなります。