2020年12月号「超高感度特性がさらに進化 ソニーα7SⅢ」記事中のp31の画質比較画像を公開します。
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ソニーα7RⅣ、α7SⅡ、α7SⅢの高感度設定時の画像比較です。
左は撮影画像の全体像、右はその中の小三つ星(オリオン星雲が位置する部分)を400倍に拡大して掲載しています。いずれの画像もソニーFE 20mm F1.8G(絞り開放)、背面にLeeソフトフィルター#3使用、ビクセンポラリエUによる追尾撮影です。
すべての画像はRAWデータから撮影時設定で展開しています。レンズ補正などの処理は一切していません。
興味深い点として、拡大画像を見ると、ISO6400以下の感度設定では、7SⅡ、7SⅢともに星の肥大と偽色が認められます。とくにSⅡは、偽色がはっきりしており、星像がリング状に変化しているのがわかります。これらの現象はかつてのニコンD3、D700などの大画素カメラで顕著に表われた現象です。
同時に記録しているJPEGデータではこのような偽色と星の肥大は認められません。ただ、JPEGデータでは、7SⅡなどの古い機種では自動的にかなり強いノイズ軽減処理などの画像処理が施されているため、「微星が点像でない」とか、「粒状感がシャープでなくボケたイメージになるな」どの現象が確認できます。
RAWデータのISO6400以下の星の肥大については、現在、その原因や対策をソニーに問い合わせています。わかり次第、今後、天文ガイド誌面などで報告したいと考えています。
(沼澤茂美)