2019年4月10日に国際共同プロジェクトのイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)の研究チームがブラックホールの影の撮影に成功し、その画像が公開されました。天文ガイド2019年6月号で詳しく紹介します。
プロジェクトチームによると、ブラックホールの影の撮影に成功するのは人類で初めてとのことです。
今回の観測では、人間の目に換算すると、視力300万にあたる高解像度を実現し,地球から5500万光年離れた楕円銀河M87の巨大ブラックホールの影を直接観測することに成功しました。
光子球の真ん中に真っ黒くなり、ドーナツ状のリングのように見えるのは、真ん中にブラックホールが存在する確固たる証拠です。このリングの大きさから、M87の超巨大ブラックホールは太陽の65億倍の質量を持つこともわかりました。
EHT日本チームの代表を務める本間希樹さんは、「今回の成功はブラックホールの究極の到達点だと思います。」とコメント。
今後の観測で、事象の地平面付近の様子がより詳しくわかるようになるかもしれません。(詳しくは天文ガイド2019年6月号p4~5で解説)
ブラックホールシャドウのメカニズム解説映像(Credit:Nicolle R.Fuller/NSF)