パナソニック(株)は、同社のハイエンドオーディオブランドTechnicsの設立50周年を記念して、コアレス・ダイレクトドライブモーターを採用したターンテーブル「SL-1200GAE」を、1200台限定(日本国内向け300台)で発売すると発表した。発売日は2016年6月24日を予定している。
「SL-1200GAE」は、初代機が1972年に発売され全世界で350万台を販売したTechnicsのターンテーブル「SL-1200」シリーズの最新機種。
同ブランドのグランドクラスに位置付けられ、アニバーサリーエディションとして発表された。
トルクの強さや耐久性、立ち上がりの早さといった、従来シリーズの特長を引き継ぎつつも、金型の製作をはじめ全体的に見直し、大幅な性能の向上を図っている。
内部構造は信頼性に優れるダイレクトドライブ方式を踏襲し、課題であった回転ムラや回転中の微小な振動の発生をなくすため、鉄芯のない「コアレス・ダイレクトドライブモーター」を新たに開発。
さらに面対向式のツインローターとすることで、高トルクを確保した。
回転の精度検証・補正を行うモーターの回転制御には、同社のブルーレイディスク機器「ディーガ」の開発で培ったモーター制御技術を応用。
動作状態に合わせて駆動モードを切り替え、強い高機動トルクと高安定性を実現している。
エッチングとレーザー加工を組み合わせた539本の高精度なスリット式の円盤を用いてエンコーダーがモーターの回転位置を検出し、負荷変動要素に応じた最適補正が可能となった。
プラッターは、真鍮パネルとアルミニウムダイキャストを強固に一体化したターンテーブルに、裏面全体へデッド人グラバーを貼り付けた3層構造。
3.6kgの重量級ターンテーブルにより、高い剛性と振動減衰により、滑らかで安定した開店を実現する。
また、ターンテーブルの組み立て後には、工場で新幹線にも利用されている専用バランス調整機を用いて一品一品高精度な調整を行っている。
また、軽量なマグネシウムを採用したトーンアームで、冷間引抜加工により強度と高い寸法精度を実現。
水平回転軸と垂直回転軸の軸芯が一点で交差するテクニクス伝統のジンバルサスペンション構造と、切削加工ハウジングを使用した高精度ベアリングによって、高い初動感度を得ている。
サブウエイトは2個/28.5gまでサポートしている。
インシュレーターには特殊シリコン素材・アルファゲルを使用したものを新設計。
副次共振を排除し外来振動を徹底的に防ぐ事で、カートリッジの音楽信号への影響を抑制する。
キャビネットは2002年に発売された「SL-1200MK5」の設計図を元に、アルミダイキャスト・BMC(不飽和ポリエステル樹脂)・重量級ラバーの組み合わせへ、10mm厚のアルミ無垢材にヘアライン加工を施した天板を加えた4層構造となっている。
*製品についての詳細はパナソニック(株)まで。