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天文ガイド 2023年7月号

編集: 天文ガイド編集部

定価(税込)1,100円

発売日2023年06月05日

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特集は4月20日金環皆既日食&部分日食レポート、チリ・リモートプロジェクト、注目の金星イベントなど。 天文ガイド編集部 : 佐々木

内容

■【4月20日 金環皆既日食レポート】
津村光則、土生裕介、沼澤茂美、塩田和生
4月20日、金環日食から始まり、皆既日食を経て、ふたたび金環日食に戻る、金環皆既日食が起こりました。
日本からおもに豪州に遠征した観測者がとらえた皆既日食画像をギャラリーページで紹介します。
また、2019年のチリ日食以来、4年ぶりとなった皆既日食を新たな方法でとらえた皆既日食撮影について紹介します。
さらに、現地からSTARLINK衛星を使ったLIVE配信の試みも紹介します。

 

■【2023年は金星イヤー・これから注目のイベント】
早水 勉
2023年は金星の観察条件が絶好の「金星イヤー」。
この夏、東方最大離角から最大光度となり、観察好期を迎えます。
2023年の金星は赤緯が高く、地平線に沈む時刻も遅いため観察には好条件。
8月に内合を経て「明けの明星」となってからも観察しやすく、
ふたたび9月19日には最大光度となります。
6月13~14日には金星はプレセペ星団に入り、7月11日には金星・火星・レグルスが集合するなど、見応えのある「金星イベント」も起こります。
この夏、見ごろとなる金星の観察ガイドを紹介します。

 

■【日本から南半球の星空を撮る「チリ・リモート」プロジェクト】
丹羽雅彦、須永 閑
チリの天体観測所に自身の機材を設置し、日本からリモートで南天を撮影する「チリ・リモート」プロジェクト。
いま日本の天文ファンが南半球の星空をリモートで撮影し、楽しんでいます。
チリの天文家と協力して立ち上げた運営者の丹羽雅彦氏にプロジェクトの全容を紹介してもらいます。
また、「チリ・リモート」を利用中の天体写真家・須永 閑氏に、
どのようにリモート撮影を行っているのかを紹介してもらいました。

 

■【HAKUTO-Rミッション1 月着陸ならず】
荒舩良孝
日本の宇宙開発ベンチャー「ispace」が、
民間企業で世界初となる、月面着陸に挑んだHAKUTO-Rミッション1。
4月26日に着陸態勢に入ったものの、着陸予定時刻を過ぎても
ランダーからの信号を受信することはできませんでした。
ランダーは月面に衝突し、破壊されたものとみられています。
しかし、民間企業が月着陸船の開発・運用に初めて挑み、
月まで無事に到着したことは偉業といえます。ミッションの概要と経過を紹介します。

ここだけの話

日本にいながら南米の星空を観測できる「リモート観測所」

市街地にある自宅からは、天体観測や天体写真撮影において満足できるような星空を望むことはできません。そのため、天文ファンは週末や仕事の休みを使って夜空の暗い場所まで遠征し、天体観測をするのが一般的です。

しかし、忙しいスケジュールを縫ってようやく遠征に出かけられそうな日を作っても、その日が満月期であれば、月の明るい光に星がかき消されて、満足な星空を見ることはできません。

さらに、月の光の影響を避けられる夜だとしても、その夜の天候が「快晴」でなければ、雲などに邪魔されて、満足な星空を見ることはできません。天体観測には、このような「ハードル」がつきものです。

 

しかし、近年、これらのハードルを「キャンセル」して天体観測を楽しめる方法も出てきました。

 

 

それは、星空の美しい場所に設置された望遠鏡のある観測施設に、自宅からインターネットを介して望遠鏡を遠隔操作し、天体観測や天体写真を撮影する方法です。

 

 

この方法であれば、遠征の時間や労力をかけることなく、自宅に居ながらにして、天候の良いタイミングに天体観測をすることができます。近年「リモート天体観測所」などと呼ばれるこうした施設に、遠隔でアクセスして天体観測をする取り組みが、世界各地にさまざまな形で提供されるようになってきました。

 

 

『天文ガイド』2023年7月号では、リモート観測所として注目の取り組みをしている「チリ・リモート」プロジェクトを紹介します。

南米チリのアタカマ砂漠にあるリモート観測所(写真)で、いま日本の天文ファンたちが、自身の望遠鏡をチリに設置して天体写真撮影を楽しんでいます。チリのアタカマ砂漠は、非常に乾燥した高地にあり、年間を通じて晴天率が高い、星空観測の最適地で、日本のアルマ望遠鏡(国立天文台)を始め、世界各国の研究機関が天文台を設置している場所です。

 

このアタカマ砂漠のリモート天体観測所で、日本の天文ファン向けのリモート天体観測サービスを提供するのが「チリ・リモート」プロジェクトです。

 

プロジェクトは現地チリの天文家2名と日本人の天文家・丹羽雅彦氏の3名で運営。運営者の丹羽雅彦氏にプロジェクトの全容を紹介してもらいました。

ぜひ誌面をご覧ください。(写真提供:丹羽雅彦)

雑誌紹介

1965年創刊。星空と宇宙に関心がある人のための月刊誌。話題の星空イベントの楽しみ方から、注目の宇宙の話題までをわかりやすく紹介します。星空観察の仕方、最新の宇宙探査の解説記事、星空風景写真を初めて撮る人のための撮影方法紹介、天体望遠鏡の使い方、注目の天文グッズ紹介、ディープな天体写真撮影テクニックなど、ビギナーからベテランまで楽しめる幅広い内容です。記事と連動した星空動画は天文ガイドYouTubeチャンネルに毎月アップ。電子版でも購読いただけます。

商品名天文ガイド 2023年7月号

商品名(カナ)テンモンガイド 2023ネン7ガツゴウ

編集者名天文ガイド編集部

判型B5

【特集】
全周に広がる皆既日食のコロナ、わずかな部分日食
4月20日 金環皆既日食レポート/津村光則、土生裕介、沼澤茂美、塩田和生

 

2023年は金星イヤー・これから注目の金星イベント/早水 勉

 

日本から南半球の星空を撮る「チリ・リモート」プロジェクト/丹羽雅彦、須永 閑

 

【TOPICS】
HAKUTO-Rミッション1、月面に衝突/荒舩良孝
STARLINKを活用した天文現象のLIVE配信/山口千宗(天文リフレクションズ)
N.I.N.A.Version2.0④/須永 閑
星明かり月明かり/牛山俊男
星空撮影QUICKガイド/成澤広幸
太陽を撮る/山崎明宏
一眼レフ終焉期の明るいレンズ⑦/西條善弘

 

【THE SKY】
7月の星空と天体観測/沼澤茂美、脇屋奈々代

 

【NEWS&EVENT】
ASTRO NEWS/内藤誠一郎、塚田 健、三浦飛未来
ASTRO SPOTS+全国天文イベント情報

 

【天体写真】
読者の天体写真
入選者の声(最優秀賞受賞者手記)

 

【連載】
月のある絶景/榎本 司
星雲・星団案内/津村光則
天文学コンサイス/半田利弘
リーマンサットa go-go!/ヨッシー
柳家小ゑんのエントロピーガイア!
今日からロケッティア!/足立昌孝
宇宙天気/篠原 学
星のある場所/森 雅之

 

【観測ガイド】
天文データ/相馬 充 流星ガイド/長田和弘 星食ガイド/広瀬敏夫
変光星ガイド/大島誠人 変光星の近況/広沢憲治 太陽黒点近況/時政典孝
小惑星ガイド/渡辺和郎 人工天体/橋本就安 惑星の近況/堀川邦昭
彗星ガイド/中野主一

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