商品名アイデア No.374 2016年7月号
商品名(カナ)アイデア ナンバー374 2016ネン7ガツゴウ
編集者名アイデア編集部
判型A4変(縦297mm×横225mm)
内容
特集:よりみち~伊丹十三と13の映画作品
構成・編集:Åbäke,アイデア編集部
デザイン:Åbäke
日本語組版:長田年伸
翻訳:松山直希,熱海綾乃
協力:伊丹プロダクション,伊丹十三記念館,山口信博,中村好文
伊丹十三は映画監督としてのみならず,俳優,エッセイ,デザイン,料理など多方面にわたる才能と活動で知られている。
本特集は,そんな伊丹の活動に関心を抱いたイギリスのデザイン集団アバケ(Åbäke)の提案を発端としたものだ。
アバケはアーティストとの協働や,ワークショップ,レーベル運営など,受注仕事ではない自主的なプロジェクトを展開し,その方法は世界中のデザイナーに影響を与えている。
彼らの活動はそれがデザインかアートかという議論を越えて,グラフィックデザインという方法をさまざまな領域に応用,転用,流用することにおいて一貫している。
ひとりの人が一つの専門や職能のもとに生きていくのが常識とは言えなくなった現在,そうした状況への批評的実践を展開するアバケにとって,生前の伊丹十三はまさに彼らの活動の先を行く人であった。
そこで,本特集ではある領域における手法・知識・経験を他の領域に転換する伊丹の「翻訳」的な手法をおうべく,アバケとともに伊丹映画のポスターや関連制作物をすべてデザインしてきた佐村憲一に伊丹十三との協働について聞き,二人の交渉のなかに伊丹のデザイン的思考を捉えることにした。
また「翻訳」のいち実践として,世界各国のデザイナーに伊丹映画のポスターを制作してもらった。
本特集によって伊丹十三ははたしてどう理解,翻訳されるのだろうか。
多言語的な世界において,情報の翻訳し,コミュニケーションの回路として働くデザインのあり方について考えていく。
Åbäke
Åbäke(アバケ)はロンドンを拠点に活動するグラフィックデザイン集団。パトリック・レイシー,ベンジャミン・レイキン,カイサ・ストール,マキ・スズキのメンバー4人は,イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・ア ートを卒業した2000年から活動を共にする。ポスターやCDジャケットのデザインからインスタレーション,イベント主催,音楽レーベルでもあるKitsuné ほか,多岐に渡る活動を行う。
佐村憲一
1948年山口県生まれ。グラフィックデザイナー。田中一光デザイン室を経て,ナンバーワン・デザイン・オフ ィス設立。伊丹十三監督全作品のグラフィックデザイン担当。NAOC長野オリンピック公式写真集アートディレクター,佐賀インターナショナルバルーンフェスタ・アートディレクター。武蔵野美術大学・空間演出デザイン科元非常勤講師。東京アートディレクターズクラブ賞,毎日広告デザイン賞,造本装幀コンクール文部大臣賞,全国映画ポスター賞最優秀賞,日本グラフィック展銀賞,日本印刷産業連合会会長賞,日本BtoB広告賞銀賞他受賞。個展「ステーショナリー展」。共著に『現代版絵入り 般若心経』(ゴマブックス, 1982)『一流ブランド品の科学』(はまの出版,1997)。
インタビュー:佐村憲一 伊丹十三をめぐる佐村憲一との対話
写真:橋詰宗
ポスター作品寄稿(左側:佐村憲一デザインのオリジナル版/右側:本企画のためにデザインされたポスター)
サミュエル・ナイホム/ルネ,マテオ,ジャン = クロード・チアナリ/ファリダ・エル・ガザール/バルディ・ハリティ/ フレイザー・マガリッジ/アレサンドラ・ジェニュアルド/ Pınar & Viola / カール・ナウロット & ナ・キム/ローラ・パッパ/ Yokoland /ラディム・ペスコ
ランス・ワイマンと1968年メキシコ・オリンピック
デザイン:Spin
文:エイドリアン・ショーネシー
訳:大木麻利子
日本語組版:白井敬尚形成事務所
1968年,メキシコ・オリンピックのグラフィックデザインを担当したデザイナー,ランス・ワイマン。
彼の作品にはほぼすべての時期において複数の様式の総合とグラフィック要素の融合という特徴がみられた。
そうした構成要素の予期せぬ融合がなによりもはっきりと現れ出たのが本記事で紹介するメキシコ・オリンピックのための仕事である。
イギリスのUnit Editionsより刊行された『Lance Wyman: The Monograph』の収録内容をもとに,著者のエイドリアン・ショーネシーが解説する。
ストリートの思想とデザイン― 路上を拡張する,ポリティカル・デザインの行方
企画・構成:アイデア編集部,千原航
デザイン:千原航
編集協力:小林野渉
紙を媒体とした広告デザインが勢いを失い,従来の広告的な生産体制そのものが疑問視されるいま,その手法は路上(ストリート)において拡張し,あらたな局面をむかえている。
昨年夏の安保法制反対の抗議デモで知られる学生団体SEALDsのデザイン班へのインタビューほか,2000年代以降国内のデモや政治・社会運動にかかわり,そこにおけるデザインの役割を思考してきたデザイナーたちに話をきいた。
インタビュー:SEALDs デモとグラフィックデザイン最前線
デモという政治文化をデザインする― 開かれる参加民主主義の現在
文:五野井郁夫
座談会:ポスト・ポリティカル・デザイン
石黒景太 × 千原航 × 小辻雅史 × 宮越里子
連載 ばるぼら× 野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて
第7回 2000年代のジン パート1―プリント・イズ・ノット・デッド
デザイン:杉山峻輔
90年代には「新しい遊び場」だったインターネットは,大多数の人々の生活に欠かせないインフラとなり,急速に商業化が進んでゆく。
「ソーシャル」と「パブリック」の意味が問い直され,個と公の力学は刻一刻と変化する。
技術の革新は個人に大きな力をもたらした一方で,情報の飽和と複雑化するルールは人々を翻弄し続けた。
そんな中,ごくシンプルな,個人と個人をつなげるメディアの原点として,ZINEは(再)発見される。
立花文穂 Leaves Fumio Tachibana
デザイン・文:立花文穂
Leavesという作品集をつくった。この20年拾ったモノを集めて一葉一葉、本の頁と頁の間に挟んで閉じて押し潰した。そして、また寝かしておこう。次に開くときは色味が渋く増して、ペッタンコにカリカリになって、ヒラヒラっとこぼれ落ちてくる。
クリティカル・デザイン・スクール[グラフィック篇]
グラフィックデザインの周辺からグラフィックデザインを再定義してみる
構成:長田年伸
デザイン:加藤賢策(LABORATORIES)
3回にわたって開催されたクリティカル・デザイン・スクールでは,加島卓,永井幸輔,吉川浩満,石岡良治ら,社会学,法律,哲学,表象文化論の各領域の最前線で活躍する講師を招き,それぞれの専門からグラフィックデザインという領域に光をあて,再検討・再構築する視点を探ることに挑戦した。
浮かび上がったのは,ネットワーク化とグローバ ル化のなかで,あらゆる事象の全体像をつかむことがいっそう困難になりつつある時代に,グラフィックデザインを批評的に語るための可能性である。
これからのグラフィックデザインを我々自身が考え,語り,定義することへの試み。
第1回 東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン
ゲスト:加島卓(社会学),永井幸輔(弁護士/Arts and Law)
第2回 デザインについて語るとき我々が 語ること
ゲスト:吉川浩満(文筆家)
第3回 視覚デザイン「超」講義
ゲスト:石岡良治(表象文化論)
加島卓(かしま・たかし)
東海大学文学部准教授。専門は社 会学,デザイン史。著書に『〈広告制作者〉の歴史社会学』(せりか書房,日本社会学会奨励賞)。『オリンピックとエンブレム(仮)』(河出ブックス,近刊)。
永井幸輔(ながい・こうすけ)
弁護士/Arts and Law/Creative Commons Japan。美術・デザイン・インターネットなどのクリエイティブに関わるアドバイスを提供。編著に『ファッションは更新できるのか?会議』(フィルムアート社)等。
吉川浩満 (よしかわ・ひろみつ)
文筆家。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会,ヤフーを経て,現職。著書に『理不尽な進化』『心脳問題』『問題がモンダイなのだ』ほか。関心は哲学/科学/芸術,犬猫鳥,デジタルガジェット,卓球など。
石岡良治(いしおか・よしはる)
1972年生。批評家・表象文化論。青山学院大学ほかで非常勤講師。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社,2014年)『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社,2015年)。
Erik Kessels / KesselsKramer レクチャー & ワークショップ
混乱も不可能も間違いも―クリエイティビティにとって大事なこと
文:柴田直美
デザイン:橋詰宗
2016年3月,田町にあるSHIBAURA HOUSE(シバウラハウス)で,オランダのクリエイティブエージェーンシーKesselsKramer(ケッセルスクラマー)を主宰するエリック・ケッセルスのレクチャーとワークショップが行われた。
20年前にKesselsKramerを立ち上げ,以来ユーモアに溢れた広告を打ち出し続けている彼は,近年アマチュア写真を媒体とした表現に興味を持ち,写真集の出版や,展覧会を企画することでも知られている。
展覧会:Tomato 結成 25 周年記念展「O」
1991年に結成されて以降、デザインシーンの最前線を走り続けてきたクリエイター集団Tomatoの25周年を記念する展覧会が、渋谷PARCOにおいて開催された。
90年代のグラフィックシーンはこの四半世紀でいかなる変容を遂げたのか。
新刊 『ブループリント・フォー・カウンターエデュケーション』増補復刻版
新刊 『祖父江慎+コズフィッシュ』
寄稿:川名潤「かくしてソビィは著者となる」
information
新書体
2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム決定
インフォメーション
ブック
the idea of music [019]
雑誌紹介
1953年の創刊以来、グラフィックデザイン、タイポグラフィを主軸に、古今東西のデザインの状況を世界にむけて伝え続けるデザイン誌。毎号異なる仕様とハイクオリティの印刷により最先端のヴィジュアルカルチャーを紹介しています。専門性・資料性の高いコンテンツに加え、マンガ・アニメ,ゲームといったサブカルチャーにデザイン的な視点から迫る企画など、間口の広さも魅力です。
商品名アイデア No.374 2016年7月号
商品名(カナ)アイデア ナンバー374 2016ネン7ガツゴウ
編集者名アイデア編集部
判型A4変(縦297mm×横225mm)
12 genres
知らない世界がここに。
生粋の趣味人のための、深くて広い12ジャンル。
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