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化石のきほん

最古の生命はいつ生まれた? 古生物はなぜ絶滅した? 進化を読み解く化石の話

著者: 泉 賢太郎 / イラスト: 菊谷 詩子

定価(税込)1,980円

発売日2023年04月10日

ISBN978-4-416-52307-0

化石の多様性と古生物学の魅力をイラストとともにやさしく解説。

内容

地学がもっと楽しくなる、地球をもっと好きになる。古生物学の新しい入門書ができました。

 

「化石」と聞いて、何を思い浮かべますか? 博物館での人気者といえば恐竜など大型古生物の体化石ですが、彼らの暮らしぶりを想像するには足跡や糞など生痕化石の調査も欠かせません。古生物が生きた当時の環境を知りたければ、目に見えない分子化石を分析することも必要です。本書では、バラエティーに富んだ化石を通じて、生命の歴史や地球環境の変動について、イラストを使ってわかりやすく解説します。化石はどのようにできるのか、生命はどのような進化を遂げたのか、化石から何がわかって、何がわからないのか……。様々な視点から化石を捉えることで、生命とは何か、そして地球のあり方について、一緒に考えてみませんか? 最新研究を多数ピックアップしているので、これから古生物学を学びたい方におすすめの一冊です。

著者紹介

泉 賢太郎(イズミ ケンタロウ)

古生物学者。千葉大学教育学部准教授。博士(理学)。1987年、東京都生まれ。2015年、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。専門は生痕化石に記録された古生態の研究など。大学生時代には応援部に所属し、「チバニアン」研究チームでも活躍した。研究モットーは「興味を持ったらとりあえずやってみよう、オリジナリティを常に意識しよう」。著書に『ウンチ化石学入門』(集英社インターナショナル)、『生痕化石からわかる古生物のリアルな生きざま』(ベレ出版)がある。SNSで古生物学・地球生命科学の魅力を日々発信している。Twitter: @seikonkaseki

菊谷 詩子(キクタニ ウタコ)

イラストレーター。神奈川生まれ、東アフリカ育ち。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程中退後、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校へ留学(サイエンスイラストレーション専攻)。アメリカ自然史博物館でのインターン期間を経て、ニューヨークを中心に活動。2001年以降は日本で教科書・図鑑・博物館の展示等のイラストを制作。絵本作品に『いぬのさんぽ』『9つの森とシファカたち』(ともに福音館書店、後者は挿絵を担当)など。

ここだけの話

ティラノの肛門、縦に描くか? 横に描くか?

下のイラストは、「恐竜のウンチ化石の中に、別の動物の筋組織が残されていた」ことを示しています。よく見ると、ティラノサウルスのお尻に穴が……

 

 

そう、肛門です。

 

 

 

正確には「総排出腔」(そうはいしゅつこう;おしっこもウンチも卵も出てくる)と呼ばれ、爬虫類や鳥類などに見られる器官です。その形状は種によって様々で、たとえばワニでは縦方向に、鳥では横方向に開口しています。しかし、恐竜のお尻なんて、もちろん誰も見たことがありません。

 

それでは、いったいどのように描かれているのでしょうか?

そこで、化石の出番です。

 

2021年、プシッタコサウルスという恐竜の化石に関するビッグニュースが飛び交いました。

その化石には奇跡的に総排泄腔が残されており、解剖学的特徴を検討したところ、縦方向に開口していたことが明らかになったのです。一方、その形状については、ワニのようにV字のスリット状であったのか、あるいは鳥のように輪っか状であったのか、詳細に絞り込むことはできませんでした(論文中にも“cannot determine”と書かれています)。

 

 

果たして、未だ見ぬティラノサウルスの「肛門」を、縦に描くべきか、横に描くべきか。本書の著者である泉賢太郎さんと、イラスト担当の菊谷詩子さんと話し合った結果、ティラノサウルスは獣脚類(鳥類を含むグループ※プシッタコサウルスは鳥盤類という別グループ)であるため、その総排出腔を現生の鳥に近い形、つまり横長の楕円形で描くことにしました。

 

このように、本書ではイラストの線一本に至るまで、可能な限り細部を意識して制作しています。

 

理解をさらに深めてくれる、サイエンスイラストレーションの世界にもぜひ注目してください。

商品名 化石のきほん

商品名(カナ) カセキノキホン

シリーズ名 やさしいイラストでしっかりわかる

著者名 泉 賢太郎

イラスト 菊谷 詩子

判型 A5

ページ数 144

Chapter1 ようこそ化石の世界へ
Chapter2 地層と化石
Chapter3 化石とたどる生命の歴史
Chapter4 化石から読み解く地球環境
Chapter5 めざせ古生物学者

お詫びと訂正

2023年4月に刊行いたしました『化石のきほん』につきまして、記述に誤りがありました。

 

読者の皆様には、大変なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。

 

正しい表記は、下記の正誤表をご参照ください。

 

・『化石のきほん』正誤表

 

今後は、記述内容の確認をより一層徹底し、再発の防止に努めてまいります。

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