商品名 友だちづきあいってなぁに?
商品名(カナ) トモダチヅキアイッテナァニ
著者名 イ・ヒョンヘ
イラスト イ・ヒョシル
イラスト キム・ジュリ
監修者名 渡辺 大輔
翻訳者名 すんみ
判型 A5変(縦210mm×横157mm)
ページ数 88
学校や社会で安全に、幸せに過ごすために読んでおきたい韓国絵本!
内容
人には自分で自由に決められる“境界”がある。学校や社会で安全に、幸せに過ごすために読んでおきたい韓国絵本!
「境界の尊重」を学べる、小学生にぴったりの絵本が届きました。
「友だちづきあいがうまくできるか不安」「小さいうちから個人の尊重や人権について知っておいてほしい」という親子に読んでほしい1冊です。
韓国で刊行された絵本2冊をドッキングし、日本オリジナルの用語解説やいざというときの連絡先などを増ページして紹介。
親や教育者向けに日本の性教育事情や包括的性教育の解説も収録しています。
すでにティーン向けの「境界」や「同意」の本や低年齢向けの絵本は出版されていますが、小学校生活をイメージしながら学べる絵本はこれが初めてです。
この絵本には、学校生活や社会で子どもたちが遭遇するシーンがたくさん出てきます。
「友だちが大好きだからさわったのに、怒っちゃった!」
「本当はあんなあだ名で呼ばれたくない」
「女の子みたいって言われたけど…」
こういった友だちづきあいのモヤモヤを丁寧に取り上げ、やさしいタッチのイラストで愛らしく表現しています。
そして、人にはそれぞれ「人権」があり、勝手に侵入してはいけない「境界」があることを示し、
もし、その「境界」に入りたいときは、「トントントン」とノックをするように確認しよう、と促します。
逆に、境界が守られていないときはNOと言うことを教えます。
生きるうえで大切な「境界を尊重する」という概念を、自分の生活シーンと照らし合わせながら肩肘はらずに学ぶことができるのです。
思わずクスッと笑ってしまうような表情が豊かな子どもたちのイラストは、文字を読まないお子さんにも十分楽しんでもらえる内容です。
親子で読むのはもちろんですが、総ルビなので、ひらがなが読めるようになれば1人で読むこともできるでしょう。
また、大人にとっても新しい概念を知るきっかけになるはずです。
著者紹介
イ・ヒョンヘ(イ ヒョンヘ)
韓国の研究者。元韓国両性平等教育振興院(KIGEPE)教授。子どもや女性の権益保障のための活動を積極的に行う。子どもや女性、障がい者に関する著書多数。
イ・ヒョシル(イ ヒョシル)
韓国・中央大学で韓国画、英国キングストン大学でイラストを学び、現在は児童書のイラストレーターとして活動中。
キム・ジュリ(キム ジュリ)
韓国・弘益大学卒業。韓国イラストレーションスクール(HILLS)でイラストを学び、現在は児童書・絵本のイラストレーターとして活動中。
渡辺 大輔(ワタナベ ダイスケ)
埼玉大学基盤教育研究センター准教授。博士(教育学)。主な研究テーマはジェンダー・セクシュアリティ教育。講義や講演、執筆、授業づくりなどを通して、学校で性の多様性をどのように教えたらよいかなど、情報を発信している。ユネスコの『国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】』(明石書店)の翻訳者の1人。
すんみ(スンミ)
早稲田大学大学院文学研究科修了。訳書に、『星をつるよる』(パイインターナショナル)、『5番レーン』(鈴木出版)、『女の子だから、男の子だからをなくす本』(エトセトラブックス)、共訳書に『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス)などがある。
ここだけの話
本書の翻訳をご担当していただいたのは、数々の韓国絵本や韓国文学を訳していらっしゃる韓国出身のすんみさん。
私の手元にも、すんみさんが翻訳された『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス)や『女の子だから 男の子だからをなくす本』(エトセトラブックス)があります。フェミニズムやジェンダー問題を扱う本もたくさん訳していらっしゃる方なのです。
実は、すんみさんは子育て中でもあり、今回の『友だちづきあいってなぁに?』を訳すときも、小さなお子さんを持つ親としての視点を常に持ってくださっていました。「もうちょっとわかりやすいように再挑戦してみました!」と、最後まで最適な表現を模索して粘ってくださったのが本当にありがたかった。
おかげで、難しい表現の多かった絵本が、親しみやすいものに大変身できたと思っています!
こんなエピソードもありました。
絵本の中で「境界」という言葉がたびたび出てくることについて、「もう少しやさしい言い方に変えたほうがいいかもしれない…」と相談していました。
「人と人の間にある”さかいめ”?」「ライン?」「バリア?」…なかなかいい言葉が見つかりません。
また、この考え方を後押ししている「包括的性教育」の現場でも「境界」という言葉が使われていることもあり、そのまま「境界」とした方がいいかもしれないと迷ったり…。
そんなとき、すんみさんがご自身で試訳したものを5歳のお子さんに読んで聞かせてくれたんです。そうすると、言葉の難しさに引っかかることなく、すんなり受け止めて興味を持ってくれたとのこと。
街を歩いていると、「あそこにあるのも”きょうかい”?」と、いろいろなものとものの間にある境界を気にしている様子だと教えてくれました。
もちろん個人差はあると思うのですが、新しい言葉への子どもの好奇心の強さをみくびっていたな!と考えさせられる出来事でした。
絵本の舞台は小学校ですし、内容も少し難しい部分があるかもしれません。すべてが理解できなくても、「きょうかい」という言葉を新しく自分の中に取り込んでもらえるだけで十分。入学前のお子さんにも読んでもらえたらと思います。
そして、大人の方で、もしすんみさんのお仕事に興味を持たれた方がいれば、彼女の他の作品に触れてみるのもおすすめです。
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