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パート・ド・ヴェール

型に詰めたガラスパウダーを電気炉で熔かして作るインテリア・器・アクセサリー

著者: 由水 直樹

定価(税込)3,520円

発売日2021年07月08日

ISBN978-4-416-52006-2

ガラスの粉やかけらを型に流し込み、電気炉で焼成して形作る技法を入門から上級まで詳しく解説する技法書。

内容

古くて新しいガラス技法「パート・ド・ヴェール」の作品を作ってみませんか?

 

古代に発祥し、アール・ヌーヴォー期にフランスで蘇り花開いたガラスの成型技法、パート・ド・ヴェール。日本語では「練りガラス」を意味するもので、粘土などの原型から耐火石膏で鋳型を起こし、パウダーや粒などのガラスを調合して詰め、電気炉(キルン)で焼成して作品をつくります。金属の鋳造と同じ技法をガラスで行うもので、「ガラスの鋳造」とも言えます。

 

本書は、紹介している書籍がほとんどないこの技法について、基本から応用まで詳しく解説します。
インテリアなどの作品から、アクセサリー、器など、パート・ド・ヴェールの魅力を味わえる18の魅力的な作品づくりを通じて、スタンダードな5つの型取り法をはじめ、一通りの技法を学べる構成になっています。

 

メインとなる原型づくりをはじめ、たくさんの工程を経るため、ひとつひとつの作業を丁寧に行う必要はありますが、パート・ド・ヴェールの作品は、やわらかく繊細な表情で、なめらかな質感をもち、さまざまな造形の美しさにあふれています。

 

ピーナッツやバナナから型をとったユニークなものから、ケーキをイメージした小箱、器、アクセサリーなど、色やレリーフの美しさも楽しめる作品をとおして、技法が身に着けられるようになっています。
基礎をしっかり身に着けて、思い描いた作品を完成させましょう。

いにしえから続くガラス工芸を、ご自身でも楽しんでみませんか?

著者紹介

由水 直樹(ヨシミズ ナオキ)

HALI’S Glass Art Studio 主宰。東京ガラス工芸研究所講師。
1969年東京生まれ。硝子作家 氣賀澤雅人氏に師事。
1992年東京ガラス工芸研究所卒業。
2006年第46回伝統工芸新作展、2009年第4回現代ガラス展 in おのだ、2010年HALI’S Glass Art Studio 設立。
2015年第25回伝統工芸諸工芸部会展・朝日新聞社賞、世界工芸コンペティション・金沢 〜茶の時空間〜、2016年第56回東日本伝統工芸展・ MOA 美術館賞。
2018年第58回東日本伝統工芸展・朝日新聞社賞、あらかわ画廊(銀座)等での個展、日本橋三越、日本橋高島屋等での企画を行う。

ここだけの話

はるか昔に生まれた、1点ものを作るガラス技法

「パート・ド・ヴェール(Pâte de verre)」という言葉をご存じでしょうか。

 

古代の技法を、アール・ヌーヴォー期にガラス作家たちが蘇らせ、花開かせたガラスの成形技法です。日本語では「練りガラス」を意味します。

粉状にしたガラスをのりで練って、耐火型に貼り付けて焼成していたためこのように呼ばれました。

 

ひとつひとつ型を作るため量産には向かず、隆盛と衰退を繰り返したため「幻の技法」などと称されることも。

 

この「パート・ド・ヴェール」技法を、幻ではなく誰でも作れるように、詳しく丁寧に紹介しているのが本書です。

 

『ガラス工芸の基本技法』シリーズ第1弾の『ガラスフュージング』に続く第2弾となります。

 

ガラスフュージング同様、電気炉は家庭用のものも多数販売されているのでご自宅でも作ることができます

パート・ド・ヴェールの肝は、「型」。

粘土などの原型から鋳型を起こし、ガラスの粉や粒を調合して型に詰め、電気炉焼成、型どおりに熔けた作品を最後に型から出し、磨いて……ようやく作品が完成します。

 

 

たくさんの工程を経て作られるわけですが、つまりは型を作ってガラスを入れて焼く、というもので、一つ一つの作業はシンプル

 

そのなかでとなるのは「型作り」です。

 

 

原型には、粘土のほかスチレンボード、シリコン、ワックスのほか、自然物なども使います。

 

本書ではバナナやピーナッツ、レンコンが登場しますが、ピーマンや貝殻なども面白いものができるそうです。

 

 

そのままの形がガラスに置き換わる楽しさを味わえますね。

それらの原型から耐火石膏型を取り、求める色合い・透明度になるよう調合した粉や粒などのガラスを詰めていきます。

繊細でやわらかい表情は、他にない魅力。

こうした、古くからの技法で作られるパート・ド・ヴェールの作品は、やわらかく繊細な表情なめらかな質感の美しさにあふれています。

 

いっぽう、これまで一般の方々に向けてパート・ド・ヴェール技法について詳しく紹介した書籍はほとんどありませんでした。

 

本書の担当者は、かつてテーブルコーディネートの書籍を作ったさいに、著者の方からこの技法について教わり、いつかこの魅力を多くの方に伝えたいと考えていました。

ガラス作家・由水直樹先生根気よく丁寧に紹介してくださったことで、本書が実現しました。

 

多岐にわたる一連の作業を文字にしてわかりやすくお伝えするために、スタッフも何度も改稿し工夫を重ねました。

本書でパート・ド・ヴェールの奥深い魅力に触れていただき、ご自分でも作ってみようと思ってくださったら光栄です。

商品名 パート・ド・ヴェール

商品名(カナ) パート ド ヴェール

シリーズ名 ガラス工芸の基本技法

著者名 由水 直樹

判型 B5

ページ数 176

パート・ド・ヴェールとは
作業中の安全について

第1部 基礎編
パート・ド・ヴェールにおける作業の流れ
原型を作る/原型から耐火石膏型を取る/ガラス素材について/電気炉に入れて焼成する/仕上げ―加工と研磨

第2部 実践編
●基本の型取り法5種
【オープン型(一つ型)】
花の壁掛け時計/しずくのペンダント/花のリースブローチ/蛙のジュエリートレイ/バラのレリーフ画/船のオーナメント

【二つ型】
つる模様の蓋付き楕円箱/ケーキをイメージした小箱

【割り型】
虹色バナナ/ガラスの雪だるま

【プレス型】
植物模様の三つ脚の器/桜の酒器

【吊り中子型】
雲のフットランプ

【基本以外の耐火石膏型】
型押し模様の角皿/菓子皿/ピーナッツの箸置き/レンコンの箸置きとペンダント/流れ模様の一輪挿し

パート・ド・ヴェール関連用語
索引

お詫びと訂正

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