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日食の観測と撮影

観測手法、撮影・画像処理テクニック、2042年までの皆既日食・金環日食の情報を網羅

著者: 塩田 和生 / 監修: 花岡 庸一郎

定価(税込)3,960円

発売日2023年09月06日

ISBN978-4-416-52343-8

最新の日食観測法と日食撮影テクニックを解説する日食観測愛好家必携、唯一無二の日食解説書。

内容

天文ファン、特に日食ファンのための日食の観測や撮影を楽しむための解説書。日食で見られる現象の解説から、肉眼、双眼鏡、天体望遠鏡、その他の観測装置を用いた最新の観測方法を解説。そのほか、デジタルカメラでの日食撮影から天体撮影用カメラでの撮影、さらには撮影した画像のクオリティをさらに高める画像処理テクニックも掲載。著者は、アマチュア天文家として、長年日本の日食写真撮影の大一人者である塩田和生さん。国立天文台で太陽を研究する花岡庸一郎さんが監修を担当します。

 

本書は、日食観測愛好家が知りたい最新の観測機材を使った日食観測法、最新のデジタル機器での撮影、大きく変わった動画撮影について、観測・撮影システムの構築やノウハウを詳しく解説。この1冊で日食観測家が知りたい情報をすべて網羅します。
また、巻末には2042年までの日食データを収録。予報データの見方、観測地の選定のポイントの紹介とともに、観測条件が良い日食や、2028年の北海道での金環日食、2035年の北陸から北関東で観測できる金環日食、2042年の日本の東海上での皆既日食について詳細に解説します。 なお、2024年4月には、北米で皆既継続時間が5分近い長い日食が起こり、コロナか明けですが、大勢の人がアメリカ・メキシコにに皆既日食を見るために遠征されると予想されます。

著者紹介

塩田 和生(シオタ カズオ)

大阪大学工学部応用物理学科を卒業後、東京工業大学大学院修士課程(物理情報工学)修了。富士フイルム(株)でミニラボ機器開発などに従事し、2009 年定年退職。1970 年代から、日食や月・太陽などを中心に、天体写真全般の撮影・画像処理方法の開発に取り組んでいる。天文雑誌などで解説記事を多数執筆。天文アマチュアによる日食のデジタル撮影、および画像処理の技術向上を目的とした情報交換サークル「日食画像研究会(SEPnet)」でも活躍中。

花岡 庸一郎(ハナオカ ヨウイチロウ)

国立天文台准教授(太陽観測科学プロジェクト)。京都大学理学部卒・同大学院博士課程修了、理学博士。日本学術振興会特別研究員を経て国立天文台に移り、助手として野辺山太陽電波観測所に勤務。現在は国立天文台三鷹キャンパスで行っている太陽観測の統括を担うとともに、日食観測によるコロナの研究も行っている。国際天文連合日食ワーキンググループ委員。主な著書に『太陽は地球と人類にどう影響を与えているか』(光文社)、『シリーズ現代の天文学・太陽』(日本評論社、共著)などがある。

商品名 日食の観測と撮影

商品名(カナ) ニッショクノカンソク トサツエイ

著者名 塩田 和生

監修者名 花岡 庸一郎

判型 B5

ページ数 248

第1章 日食とその魅力
日食が起こる仕組み/日食の見どころ/日食を安全に快適に楽しむために

第2章 日食観測の歴史
古代の日食記録/正確な日食の予報を行う試み/科学的な研究対象としての日食/アマチュアの日食観測/壮大な天体ショーとしての日食

第3章 太陽とその外層大気
太陽の構造/光球/彩層/コロナ

第4章 日食写真の撮影法
気軽にできる日食撮影/欠けている太陽の間接撮影/太陽を画面に入れずに撮る日食風景撮影/太陽高度が低い時の欠けている太陽の撮影/皆既日食時の日食風景撮影/本格的な日食撮影/減光手段の準備/日食の連続合成写真/日食拡大撮影用の機材/欠けている太陽の拡大撮影/コロナとダイヤモンドリング、プロミネンスの撮影/ダイヤモンドリング撮影のためのゴースト、フレア対策/日食撮影の自動化/オートブラケットによるコロナの多段階露出/パソコン制御による自動撮影/マイコン制御による自動撮影/NDフィルターの自動着脱/その他の撮影対象/フラッシュスペクトル/シャドウバンド/空に映った月の影の移動/船上での日食撮影/飛行機からの日食撮影

第5章 コロナの画像処理
コロナの輝度分布と構造/コロナの構造再現方法の歴史/回転セクター方式/ニューカークフィルター/パソコンソフトによる処理(1)R-USM法/パソコンソフトによる処理(2)一般用HDRソフト/数学的な手法のコロナ画像処理(Druckmuller氏の方法)/パソコンソフトによる処理(3) R-USM2/様々なコロナ画像処理方法の特徴比較/最近の新しい試み/市販ソフトによるコロナ画像処理の具体的な操作手順/PhotomatixProによるコロナ画像処理/ステライメージ8(8.0c)によるコロナの画像処理/R-USM2処理の基本処理/R-USM2処理の+α処理/画像処理で目指すイメージの目標について/コロナ画像処理結果の出力方法/輝き感のあるコロナの再現

第6章 日食の科学観測
科学観測の基礎/デジタルカメラの基本特性/データ解析ツール/コロナの測光観測/KコロナとFコロナの分離(偏光観測)/コロナの微細構造の時間変化の観測/Eコロナの観測/フラッシュスペクトルによるEコロナの観測/狭帯域フィルターによるEコロナの観測/太陽半径の精密測定/2012年5月21日の金環日食時の太陽半径の精密測定/2017年8月21日の皆既日食時の太陽半径の精密測定/アインシュタイン効果の観測/眼視観測とその課題

第7章 日食時の地球大気現象の観測
気象現象への影響とその観測/日食気象学とその歴史/日射量と気象現象の関係/日食時の気象観測-1(気温変化)/日食時の気象観測-2(大気境界層への影響)/日食時の気象観測-3(風の変化)/日食時の気象観測-4(雲の変化)/数値予報モデルを使った日食の影響の計算/今後の課題/シャドウバンドとその観測/シャドウバンドとは/シャドウバンドの原因の論争/シャドウバンドの見え方の特徴/Codona氏のシンチレーション理論/シャドウバンドの観測/雲に映ったシャドウバンド/今後の課題/日食中の空の明るさ/日食中の空や風景の明るさの特性/日食中の空の明るさの定量観測/日食中の輝度・照度変化/天頂輝度の違いを説明するモデル/空全体の明るさ分布とそれを決めるメカニズム/人が感じる明るさ感/皆既日食中の空に見える月の影/地上に映った月の影と空に映った月の影/月の影の見え方を予測する従来モデル/過去の日食で撮影された“月の影”の検討/2012年のニュージーランド沖日食で撮影された“月の影”/2013年11月13日のウガンダ金環皆既日食で撮影した“月の影”/1963年の北海道日食で撮影された“月の影”/1991年7月11日のハワイ皆既日食で撮影された“月の影”/“月の影”の見え方を説明する新モデル/今後の観測課題+G60

第8章 今後の日食
2023年~2042年に起こる日食/日食遠征スタイルの特徴と留意点/2023年10月~2042年の日食の個別解説
2023年10月14日の金環日食/2024年4月8日の皆既日食/2024年10月2日の金環日食/2026年2月17日の金環日食/2026年8月12日の皆既日食/2027年2月6日の金環日食/2027年8月2日の皆既日食/2028年1月26日の金環日食/2028年7月22日の皆既日食/2030年6月1日の金環日食/2030年11月25日の皆既日食/2031年5月21日の金環日食/2031年11月14日の金環皆既日食/2032年5月9日の金環日食/2033年3月30日の皆既日食/2034年3月20日の皆既日食/2034年9月12日の金環日食/2035年3月9日の金環日食/2035年9月2日の皆既日食/2037年7月13日の皆既日食/2038年1月5日の金環日食/2038年7月2日の金環日食/2038年12月26日の皆既日食/2039年6月21日の金環日食/2039年12月15日の皆既日食/2041年4月30日の皆既日食/2041年10月25日の金環日食/2042年4月20日の皆既日食/2042年10月14日の金環日食

COLUMN
非日食時に彩層を見る方法/非日食時にコロナを見る方法/エクリプスナビゲータ4.5の自動撮影操作の流れ

お詫びと訂正

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